ラークスのキャノピーウォークウェイを支えるWebnet
当初の状況とコンセプト:
ラークスの森の真ん中に長さ1.56 kmの細道が通っています。ここを訪れる人たちは、高さ2 mから28 mまで、ラークスの森のトウヒやモミ、マツを普段とは違った展望で体験でき、林冠と同じ高さから眺められる所もあれば、地面間近で若木やシダの生育を見ることができる所もあります。
「Senda dil Dragun」はスイスの一部の地域で話されるレト・ロマン語で付けられた名前で「竜の小径」という意味。世界でも最長規模のキャノピーウォークウェイです。これよりも長いキャノピーウォークウェイも世界にいくつかありますが、それらは地面に接しています。しかしラークスの小径は違います。「Senda dil Dragun」は、木に支えられて、全ルートにわたり地面から浮かんでいるのです。
このラークスのプロジェクトでは、特別な自然体験を可能にするとともに、小径を訪れる人たちが森や周辺の住民にも気をつかうようにするのが目的でした。木々の間に隠れるようにして、できるだけ自然な線を描きながら、曲がりくねった竜の小径が森林風景の中を通っています。そして小径は立ち木の数も配慮して作られています。ラークス・ムルシェツとラークス・ドルフにある二つの塔は高さがそれぞれ37 mと27 mで、遠くからも見えるようになっています。
建築と実現:
手すりや塔、林冠の立ち入り禁止ゾーンの柵などに、プロジェクトのプランナーが隙間を埋めて、転落防止のために透明で軽量、高品質の要素を探していました。まさにこうした要件を満たすのがステンレススチール製ネットWebnetでした。Webnetは繊細な構造で大きな張力、十分な柔軟性を持っていました。このネットは四季を通じて耐候性に優れ、酷使に耐え、維持費がほとんどかからないので、キャノピーウォークウェイの建設にとっては理想的なソリューションでした。
Jakob Rope Systemsはラークスに合わせてそれぞれカスタマイズしたネットを一つずつ納入しました。全部で約3,200 ㎡のWebnetが設置されたことになります。その中でも最長のWebnet要素は約60 mの長さに及びます。すべてのWebnet要素はそれぞれ丸いチューブ・フレーム構造で接続されています。キャノピーウォークウェイは冬でも訪れることのできる場所です。除雪作業の際にWebnet要素が損傷しないよう、手すりに沿って、保護カバーが取り付けられました。
プロジェクト全体へのWebnet要素の統合は、Jakob Rope SystemsがHofmann & Durisch(フリムス・ドルフ)の建築家たちと共同で手がけました。金属関係の建築の仕上げは、Ragettli Metallbau AG社(フリムス・ドルフ)が請け負いました。
詳細/形状/寸法:
- 合計で3,000 m2以上のWebnetが設置されました(Ø 1.5 mmのワイヤ、メッシュ幅 40 mm)
- 25,000 m以上のレーシングワイヤ(Ø 2 mm、6 × 7 + WC)が組み立てには必要でした。
- 現場で120日間以上の取り付け作業
Jakob製品/サービス:
- 手すり/Webnet統合の専門的なプランニング
- 製造、納入、組立